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Japanische Klassiker mit Furigana

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さんごくし

三国志(一)

吉川 英治

Lesen Sie 三国志(一) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 309.839 Zeichen · 622 Bildschirme

Aozora Bunko

三

そのうちに、またよい首尾をして会おう」

「もう、お帰りですか」

貂蝉は、彼の袖をとらえて、離さなかった。

「将軍は、世に並ぶ者なき英雄と聞いていましたのに、どうしてあんな老人をそんなに、怖れて、董卓の下風に従いているのですか」

「そういうわけではないが」

「私は、太師の跫音を聞いても、ぞっと身がふるえてきます。……ああいつまでも、こうしていたい」

なお、寄りすがって、紅涙雨の如き姿態であった。――ところへ、董卓は朝から帰って来るなり、ただならぬ血相をたたえて彼方から歩いて来た。

三

「はて。貂蝉も見えないし、呂布もどこへ行きおったか?」

董卓の眸は、猜疑に燃えていた。

今し方、彼は朝廷から退出した。呂布の赤兎馬は、いつもの所につないであるのに、呂布のすがたは見えなかった。怪しみながら、車に乗って相府へ帰ってみると、貂蝉の衣は、衣桁に懸っているが、貂蝉のすがたは見当らないのである。

「さては」

と、彼は、侍女を糺して、男女の姿を見つけに、自身、後園の奥へ捜しに来たのであった。

二人は鳳儀亭の曲欄にかがみこんで、泣きぬれていた。貂蝉は、ふと、董卓の姿が彼方に見えたので、