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Japanische Klassiker mit Furigana

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さんごくし

三国志(一)

吉川 英治

Lesen Sie 三国志(一) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 309.839 Zeichen · 622 Bildschirme

Aozora Bunko

八

すると呂布は、何思ったか、戟の先を伸ばして曹操のの鉢金をこつんと軽く叩いた。そして――恐らくは自分の味方の将と間違えたのだろう、こう訊ねた。

「おい。曹操はどっちへ逃げて行ったか知らんか。――敵の曹操は?」

「はっ」

曹操は、作り声で、

「それがしも彼を追跡しているところです。何でも、毛の黄色い駿足にまたがって、彼方へ走って行ったそうで」と、指さすや否、その方角へ向って、一散に逃げ去った。

八

「やっ、怪しい……?」と、後見送りながら、呂布が気づいた時は、すでに曹操の影は、町中に立ちこめている煙の中に見えなくなっていた。

「ああ、危うかった」

曹操は、夢中で逃げ走ってきてから、ほっと駒を止めて呟いた。真に虎口を脱したとは、このことだろうと思った。

――が、一体ここは何処か。西か東か。その先の見当は依然として五里霧中のここちだった。

そうしてさまよっているうちに、ようやく自分を捜している悪来に出会った。そして悪来に庇護されながら、辻々で血路を斬り開き、東の街道に出る城外の門まで逃げてきた。

「やあ、ここも出られぬ!」

曹操は、思わず嘆声をあげた。駒も大地を蹄でたたくばかりで前へ出なくなった。