Japanische Klassiker mit Furigana
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さんごくし
三国志(一)
吉川 英治
Lesen Sie 三国志(一) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 309.839 Zeichen · 622 Bildschirme
八
「……ふうむ。すると、※(「さんずい+(冢-冖)」、第3水準1-86-80)県の楼桑村から出た私兵か。つまり雑軍というわけだな」
董卓の応対ぶりは、言葉つきからして違ってきた。露骨な軽蔑を鼻先に見せていうのだった。しかも、
「――ああそうか。じゃあ我が軍に従いて、大いに働くがよいさ。給料や手当は、いずれ沙汰させるからな」
と同席するさえ、自分の沽券にかかわるように、董卓はいうとすぐ帷幕のうちへ隠れてしまった。
八
官軍にとっては、大功を立てたのだ。董卓にとっては、生命の親だといってもよいのだ。
然るに!
何ぞ、遇するの、無礼。
士を遇する道を知らぬにも程がある。
「…………」
玄徳も、張飛と関羽も、董卓のうしろ姿を見送ったまま、茫然としていた。
「うぬっ」
憤然と、張飛は、彼のかくれた幕の奥へ、躍り入ろうとした。
獅子のように、髪を立てて。
そして剣を手に。
「あっ、何処へ行く」
玄徳は、驚いて、張飛のうしろから組み止めながら、
「こらっ、また、わるい短慮を出すか」と、叱った。
「でも。でも」
張飛は、怒りやまなかった。
「――ちッ、畜生っ。官位がなんだっ。官職がない者は、人間でないように思ってやがる。