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Japanische Klassiker mit Furigana

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さんごくし

三国志(一)

吉川 英治

Lesen Sie 三国志(一) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 309.839 Zeichen · 622 Bildschirme

Aozora Bunko

三

さだめし良師がおよろこびになるだろう」と、いった。

賊の小隊はすぐ先へ出発する予定らしかったが、ひとりの物見が来て、ここから十里ほどの先の河べりに、県の吏軍が約五百ほど野陣を張り、われわれを捜索しているらしいという報告をもたらした。で、にわかに、「では、今夜はここへ泊れ」となって、約五十の黄巾賊は、そのまま寺を宿舎にして、携帯の糧嚢を解きはじめた。

夕方の炊事の混雑をうかがって、劉備は今こそ逃げるによい機と、薄暮の門を、そっと外へ踏みだしかけた。

「おい。どこへ行く」

賊の哨兵は、見つけるとたちまち、大勢して彼を包囲し、奥にいる馬元義と李朱氾へすぐ知らせた。

三

劉備は縛められて、斎堂の丸柱にくくりつけられた。

そこは床に瓦を敷き詰め、太い丸柱と、小さい窓しかない石室だった。

「やい劉。貴様は、おれの眼をかすめて、逃げようとしたそうだな。察するところ、てめえは官の密偵だろう。いいや違えねえ。きっと県軍のまわし者だ。――今夜、十里ほど先まで、県軍がきて野陣を張っているそうだから、それへ連絡を取るために、脱け出そうとしたのだろう」

馬元義と李朱氾は、かわるがわるに来て、彼を拷問した。