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Japanische Klassiker mit Furigana

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さんごくし

三国志(一)

吉川 英治

Lesen Sie 三国志(一) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 309.839 Zeichen · 622 Bildschirme

Aozora Bunko

五

「この土地に、田氏という旧家があります。ごぞんじですか」

謀士の陳宮が、唐突に云い出したことである。呂布も近頃は、彼の智謀を大いに重んじていたので、また何か策があるかと、

「田氏か。あれは有名な富豪だろう。召使っている僮僕も数百人に及ぶと聞いているが」

「そうです。その田氏をお召出しなさいまし。ひそかに」

「軍用金を命じるのか」

「そんなつまらないことではありません。領下の富豪から金をしぼり取るなんていうことは、自分の蓄えを気短かに喰ってしまうようなものです。大事さえ成れば、黄金財宝は、争って先方がご城門へ運んで来ましょう」

「では、田氏をよびつけて何をさせるのか」

「曹操の一命を取るのです」

陳宮は、声をひそめて、なにかひそひそと呂布に説明していた。

それから数日後。

ひとりの百姓が、竹竿の先に鶏の蒸したのを苞にくるみ、それを縛って、肩にかつぎながら、寄手の曹操の陣門近くをうろついていた。

「胡散な奴」と、捕えてみると、百姓は、

「これを大将に献じたい」と、伏し拝んでいう。

「密偵だろう」

と、有無をいわさず、曹操の前へ引っぱって来た。すると百姓は態度を変えて、