Japanische Klassiker mit Furigana
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さんごくし
三国志(一)
吉川 英治
Lesen Sie 三国志(一) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 309.839 Zeichen · 622 Bildschirme
五
賊将の何儀を、われらの大将、曹操様へ献じてしまえ。さすれば一命は助けてやる」
すると壮士は、哄笑して、
「曹操とは何者だ。汝らには大将か知らぬが、おれ達には、なんの恩顧もない人間ではないか。せっかく、自分の手に生擒った何儀を、縁もゆかりもない曹操へ献じる理由はない」
「おのれ一体、どこの何者か」
「おれは県の許だ」
「賊か。浪人か」
「天下の農民だ」
「うぬ、土民の分際で」
「それほど俺の生擒った何儀が欲しければ俺の手にあるこの宝刀を奪ってみろ。そうしたら何儀を渡してやる」
悪来典韋はかえって、許※(「ころもへん+睹のつくり」、第3水準1-91-82)のために愚弄されたので烈火の如く憤った。
悪来は、双手に二振の戟を持って、りゅうりゅうと使い分けながら再び斬ってかかった。しかし、許※(「ころもへん+睹のつくり」、第3水準1-91-82)の一剣はよくそれを防いで、なお、反対に悪来をしてたじろがせるほどな余裕と鋭さがあった。
でも、悪来はまだかつて自分を恐れさせたほどな強い敵に出会ったことはないとしていたので、「この男、味をやるな」ぐらいに、初めは見くびってかかっていた。