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Japanische Klassiker mit Furigana

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さんごくし

三国志(一)

吉川 英治

Lesen Sie 三国志(一) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 309.839 Zeichen · 622 Bildschirme

Aozora Bunko

二

「なんで吾輩の馬が、いたずらに肥えていると嘆くのか。よけいなおせっかいではないか」

呂布がいうと、

「いや、もったいないと申したのです」と、陳宮はいい直して、

「駒は天下の名駿赤兎馬、飼い人は、三歳の児童もその名を知らぬはない英傑であられるのに、碌々として、他家に身を寄せ、この天下分崩、群雄の競い立っている日を、空しく鞭を遊ばせているのは、実に惜しいことだと思ったのです」

「そういう君は一体誰だ」

「陳宮という無名の浪人です」

「陳宮? ……。では以前、中牟県の関門を守り、曹操が都落ちをした時、彼を助けるため、官を捨てて奔った県令ではないのか」

「そうです」

「いや、それはお見それした。だが、君は吾輩に今、謎みたいなことをいわれたが、どういう真意なのか」

「将軍は、この名馬をひいて、生涯、食客や遊歴に甘んじているおつもりか。それを先に聞きましょう」

「そんなことはない。吾輩にだって志はあるが時利あらずで」

「時は眼前に来ているではありませんか。――今、曹操は徐州攻略に出征して、州にわずかな留守がいるのみです。この際、※(「亠/兌」、第3水準1-14-50)州を電撃すれば、無人の野を収める如く、一躍尨大な領土が将軍のものになりましょう」