Japanische Klassiker mit Furigana
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さんごくし
三国志(一)
吉川 英治
Lesen Sie 三国志(一) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 309.839 Zeichen · 622 Bildschirme
三
「兄さん、あなたは、悪い部下にそそのかされて、またこの平和な宮中を乱脈に騒がすようなことを考えなどなさりはしないでしょうね。禁裡の内務を宦官がつかさどるのは、漢の宮中の伝統で、それを憎んだり殺したりするのは、宗廟に対して非礼ではありませんか」
釘を刺すと、何進は、
「おれはなにもそんなことを考えておりはせぬが……」
と、あいまいに答えたのみで退出してしまった。
三
宮門から退出してくると、
「将軍。どうでした」
と、彼の乗物の蔭に待っていた武将が、参内の吉左右を小声でたずねた。
「ア。……袁紹か」
「何太后に召されたと聞いたので、案じていたところです。何か、宦官の問題で、ご内談があったのでしょう」
「……ム。あったにはあったが」
「ご決意を告げましたか」
「いや、こちらから云いださないうちに、太后から、憐愍の取りなしがあったので」
「いけません」
袁紹は、断乎としていった。
「そこが、将軍の弱点です。宦官どもは、一面にあなたを陥し入れるように、陰謀や悪宣伝を放って、露顕しかかると、太后の裳やお袖にすがって、泣き声で訴えます。――お気の弱い太后と、太后のいうことには反かないあなたの急所を、彼らはみこんでやっている仕事ですからな」