Japanische Klassiker mit Furigana
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さんごくし
三国志(一)
吉川 英治
Lesen Sie 三国志(一) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 309.839 Zeichen · 622 Bildschirme
四
――彼の兵馬はもう東へ東へと移動を開始していた。
四
その年の十二月、曹操の遠征軍は、まず陳の国を攻め、汝南(河南省)潁川地方(河南省・許昌)を席巻して行った。
――曹操来る。
――曹操来る。
彼の名は、冬風の如く、山野に鳴った。
ここに、黄巾の残党で、何儀と黄邵という二頭目は、羊山を中心に、多年百姓の膏血をしぼっていたが、
「なに曹操が寄せて来たと。曹操には※(「亠/兌」、第3水準1-14-50)州という地盤がある。偽ものだろう。叩きつぶしてしまえ」
羊山の麓にくり出して、待ちかまえていた。
曹操は、戦う前に、
「悪来、物見して来い」と、いいつけた。
典韋の悪来は、
「心得て候」とばかり馳けて行ったが、すぐ戻って来て、こう復命した。
「ざっと十万ばかりおりましょう。しかし狐群狗党の類で、紀律も隊伍もなっていません。正面から強弓をならべ、少し箭風を浴びせて下さい。それがしが機を計って右翼から駈け散らします」
戦の結果は、悪来のことば通りになった。賊軍は、無数の死骸をすてて八方へ逃げちるやら、または一団となって、降伏して出る者など、支離滅裂になった。
「いくら鳥なき里の蝙蝠でも、十万もいる中には、一匹ぐらい、手ごたえのある蝙蝠がいそうなものだな」