Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
さんごくし
三国志(一)
吉川 英治
Lesen Sie 三国志(一) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 309.839 Zeichen · 622 Bildschirme
「待って下さい」
と、二人の意気ごみを抑え、なおややしばらく沈思してから、身を正していった。
「なるほど、自分は漢の宗室のゆかりの者で、そうした系図からいえば、主たる位置に坐るべきでしょうが、生来鈍愚、久しく田舎の裡にひそみ、まだなにも各の上に立って主君たるの修養も徳も積んでおりませぬ。どうか今しばらく待って下さい」
「待ってくれと仰っしゃるのは」
「実際に当って、徳を積み、身を修め、果たして主君となるの資才がありや否や、それを自身もあなたたちも見届けてから約束しても、遅くないと思われますから」
「いや。それはもう、われわれが見届けてあるところです」
「左はいえ、私はなお、憚られます。――ではこうしましょう。君臣の誓いは、われわれが一国一城を持った上として、ここでは、三人義兄弟の約束を結んでおくことにして下さい。君臣となって後も、なお三人は、末永く義兄弟であるという約束をむしろ私はしておきたいのですが」
「うむ」
関羽は、長い髯を持って、自分の顔を引っぱるように大きくうなずいた。
「結構だ。張飛、おぬしは」
「異論はない」
改めて三名は、祭壇へ向って牛血と酒をそそぎ、ぬかずいて、天地の神祇に黙祷をささげた。