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Japanische Klassiker mit Furigana

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さんごくし

三国志(一)

吉川 英治

Lesen Sie 三国志(一) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 309.839 Zeichen · 622 Bildschirme

Aozora Bunko

六

どこが偉大だ」と、罵った。

孔子の木像は首が折れて、わかれわかれに転がった。

六

劉備は怖れた。これは悪い者に出合ったと思った。

二人の巨男を見るに、結髪を黄色の布で包んでいるし、胴には鉄甲を鎧い、脚には獣皮の靴をはき、腰には大剣を横たえている。

問うまでもなく、黄巾賊の仲間である。しかも、その頭分の者であることは、面構えや服装でもすぐ分った。

「大方。こいつを、どうするんですか」

劉備の襟がみをつかんだのが、もう一人のほうに向って訊くと、孔子の木像を蹴とばした男は、

「離してもいい。逃げればすぐ叩っ斬ってしまうまでのことだ。おれが睨んでいる前からなんで逃げられるものか」と、いった。

そして廟の前の玉石に腰を悠然とおろした。

大方、中方、小方などというのは、方師(術者・祈祷師)の称号で、その位階をも現わしていた。黄巾賊の仲間では、部将をさして、みなそう呼ぶのであった。

けれど、総大将の張角のことは、そうよばない。張角と、その二人の弟に向ってだけは、特に、

大賢良師、張角

天公将軍、張梁

地公将軍、張宝

というように尊称していた。

その下に、大方、中方などとよぶ部将をもって組織しているのであった――で今、劉備の前に腰かけている男は、張角の配下の馬元義という黄巾賊の一頭目であった。