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Japanische Klassiker mit Furigana

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さんごくし

三国志(一)

吉川 英治

Lesen Sie 三国志(一) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 309.839 Zeichen · 622 Bildschirme

Aozora Bunko

張飛は、彼が暴れても落ちないように縄の端を幹に巻いて、

「どうだ、やいっ」

と、一本の柳の枝を折って、まずぴしりと一つ撲った。

「痛いっ」

「あたり前だ」と、また一つ打ち、

「悪吏の虐政に苦しむ人民の傷みはこんなものじゃないぞ。汝も、廟鼠の一匹だろう。かの十常侍などいう佞臣の端くれだろう。その醜い面をさらせよ。その卑しい鼻の穴を天日に向けて哭けっ。――こうか、こうか、こうしてやる」

柳の枝は、すぐ粉々になった。

また新しい柳の枝を折って撲りつけるのだった。三十、四十、五十、二百以上も打ちすえた。

督郵は、見栄もなく、ひイひイひイと声をあげて、

「ゆるせ」と、泣き声だし、

「待て、待ってくれ。なんでもいう通りにするから」

と、遂には、涙さえこぼして、あわれっぽく叫んだが、

「だめだ。その手は食わぬ」

と、張飛は、乱打をやめなかった。

その日も玄徳は、私宅に閉じこもって、怏々とすぐれない一日を過していたが、誰やらあわただしく門をたたく者があるので自身出てみると四、五名の百姓が、

「大変です。今、張飛さまが、お酒に酔って、役所の門をぶちこわし、勅使の高官を、柳の木に吊しあげて打ちすえております」