Japanische Klassiker mit Furigana
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さんごくし
三国志(一)
吉川 英治
Lesen Sie 三国志(一) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 309.839 Zeichen · 622 Bildschirme
「ヘエ……。どうしてそんな嘘ッぱちを叔父さんは知らせたんでしょう。私はこの通り何でもありませんのに」
「変な人だな」
「まったく、叔父さんは変な人ですよ。嘘をいって、人が驚いたり困ったりするのを見るのが趣味らしいんです。村の人もいっていますね。――坊っちゃんは、あの叔父さんに何か憎まれてやしませんかッて。なんでも、わたしの事を放蕩息子だの、困り者だの、また癲癇持ちだのって、方々へ行って、しゃべりちらしているらしいんですよ」
曹操は、けろりとした顔で、そういった。彼の父は、そのことがあってからというもの、何事があっても、叔父の言葉は信じなくなってしまった。
「甘いもンだな。親父は」
曹操はいい気になって、いよいよ機謀縦横に悪戯をしたり、放埓な日を送って育った。
二
二十歳まで、これという職業にもつかず、家産はあるし、名門の子だし、叔父の予言どおり困り息子で通ってきた曹操だった。
しかし、人の憎みも多いかわり、一面任侠の風もあるので、
「気の利いた人だ」
とか、また、
「曹操は話せるよ。いざという時は頼みになるからね」
と、彼を取り巻く一種の人気といったようなものもあった。