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Japanische Klassiker mit Furigana

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さんごくし

三国志(一)

吉川 英治

Lesen Sie 三国志(一) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 309.839 Zeichen · 622 Bildschirme

Aozora Bunko

袁術は、脚のくる節からふるえが這いのぼってくるのを覚えた。

「ま、ま。そう怒らないで。――まったく、後では自分も申し訳なく思っていた。それにつけても憎ッくい奴は、足下の讒訴を云いふらした男じゃ。その者の首を刎ねて、陣中に高札し、足下の冤をそそぐから、胸をなでてくれ給え」

平謝りに謝って、袁術は自分の命惜しさに、前に自分へ向って、兵糧止めを進言した隊中の部将を呼びつけ、理由も告げず縛らせて、

「この男です。この男が足下のことをあまり讒言するので、つい口に乗ったわけで――。どうかこれをもって、鬱憤をなぐさめてくれ給え」

左右の家臣に命じて、即座に部将の首を刎ねてしまった。

こういう小人をあいてにとって怒ってみてもはじまらないと考えたのか――孫堅は苦笑いして、わが陣地へ帰ってしまった。そして久しぶりに、帳を垂れて長々と眠りかけると、夜営の哨兵が、なにか呶鳴る声がした。

「……何か?」と、身を起していると、常に彼の傍らに警固している程普、黄蓋の二大将が、

「太守。起きておいでですか」と、帳の間から小声でいった。

二

「なんだ、夜中」

孫堅は、寝所の帳を払って、腹心の程普にたずねた。