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Japanische Klassiker mit Furigana

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さんごくし

三国志(一)

吉川 英治

Lesen Sie 三国志(一) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 309.839 Zeichen · 622 Bildschirme

Aozora Bunko

四

――君の静養というのは、伝国の玉璽をふところに温めて、やがて鳳凰の雛でも孵そうという肚だろう」

「な、なにっ?」

「あわてんでもよい。こら孫堅、身のほどを知れよ。建章殿の井のうちから、昨夜、拾いあげた物をこれへ出せ」

「そんなことは知らん」

「不届きな! 汝、天下を奪う気か」

「知らん。なにをもって、このほうを謀叛人というか」

「だまれ。国々の諸侯が、義兵をあげて、この艱苦を共にしているのは、漢の天下を扶けて、社稷をやすんぜんがためだ。玉璽は、朝廷に返上すべきもので、匹夫の私すべきものではない」

「なにを、ばかなっ」

「ばかなとは、何事だ」

袁紹も、彼に対して、あわや剣を抜こうとした。

四

「や、剣に手をかけたな。――汝、この孫堅を斬ろうという気か」

孫堅がいえば、

「おうっ」と、袁紹もいきり立って、

「貴様の如き黄口児になんでこの袁紹が欺かれようぞ。いかに嘘を構えても、謀叛心はもはや歴然だ。成敗して陣門にさらしてくれる」

「なにをっ」

孫堅は、いうより早く剣を抜いた。袁紹も、大剣を払い、双方床を蹴って躍らんとした。

「すわや!」と、満堂は殺気にみちた。

袁紹が後ろには、顔良、文醜などの荒武者どもが控えている。