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Japanische Klassiker mit Furigana

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さんごくし

三国志(一)

吉川 英治

Lesen Sie 三国志(一) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 309.839 Zeichen · 622 Bildschirme

Aozora Bunko

李儒は、董卓のふところ刀と日頃から憎しみも一倍強くうけていた男なので、その最期は誰よりも惨たるものだった。

こうして、ひとまず誅滅も片づいたので、王允は一日、都堂に百官をあつめて慶びの大宴を張った。

するとそこへ、一人の吏が、

「何者か、董卓の腐った屍を抱いて、街路に嘆いている者があるそうです」

と、告げて来たので、すぐ引っ捕えよと命じると、やがて縛られて来たのは、侍中蔡であったから人々はみなびっくりした。

蔡※(「巛/邑」、第3水準1-92-59)は、忠孝両全の士で、また曠世の逸才といわれる学者だった。だが、彼もただ一つ大きな過ちをした。それは董卓を主人に持ったことである。

人々は、彼の人物を惜しんだが、王允は獄に下して、免さなかった。そのうちに何者かのために獄の中で縊め殺されてしまった。彼ばかりか、こういう惜しむべき人間もまた、幾多犠牲になったことか知れないであろう。

六

都堂の祝宴にも、ただひとり顔を見せなかった大将がある。

呂布であった。

「微恙のため」と断ってきたが、病気とも思われない。

長安の市民が七日七夜も踊り狂い、酒壺を叩いて、董卓の死を祝している時、彼は、門を閉じて、ひとり慟哭していた。