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Japanische Klassiker mit Furigana

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さんごくし

三国志(一)

吉川 英治

Lesen Sie 三国志(一) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 309.839 Zeichen · 622 Bildschirme

Aozora Bunko

驚いて一同、彼の横臥している周りを取巻いて、その容体をのぞきこんだ。

右の肱から肩、太股まで、半身は大火傷にただれているらしい。繃帯ですっかり巻かれていた。顔半分も、薬を塗って、白い覆面をしたように片目だけ出していた。玉蜀黍の毛のように、髪の毛まで焦げている。

「もう、いい。心配するな」

片目で幕僚を見まわしながら、曹操は強いて笑いを見せて、

「考えてみると、何も、敵が強いのでもなんでもない。おれは火に負けたまでだ。火にはかなわんよ。――なあ、諸君」と、いってまた、「それと、少し軽率だった。たとえ、過ちにせよ、匹夫呂布ごとき者の計におちたのは、われながら面目ない。しかしおれもまた彼に向って計をもって酬いてくれる所存だ。まあ見ておれ」

すこし身をねじろうとしたが、体が動かない。無理に首だけ動かして、

「夏侯淵」

「はっ」

「貴様に、予の葬儀を命ずる。葬儀指揮官の任につけ」

「不吉なお言葉を」

「いや、策だ。――今暁、曹操遂に死せりと、喪を発するがよい。伝え聞くや、呂布はこの時とばかり、城を出て攻め寄せて来るにちがいない。仮埋葬を営むと触れてわが仮の柩を、馬陵山へ葬れ」