Japanische Klassiker mit Furigana
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さんごくし
三国志(一)
吉川 英治
Lesen Sie 三国志(一) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 309.839 Zeichen · 622 Bildschirme
流亡の将士に対して、実に鄭重な礼であったから、呂布もさすがに恐縮して、玄徳が車から出るのを見ると、あわてて駒をおり、
「なんでそれがし如きを、かように篤く迎えられるか、ご好意に応えようがない」
と、いうと、劉備は、
「いや私は、将軍の武勇を尊敬するものです。志むなしく、流亡のお身の上と伺って、ご同情にたえません」
呂布は、彼の謙譲を前に、たちまち気をよくして、胸を張った。
「いや、察して下さい。天下の何人も、どうすることもできなかった朝廟の大奸董卓を亡ぼしてから、ふたたび李一派の乱に遭い、それがしが漢朝に致した忠誠も水泡に帰して、むなしく地方に脱し、諸州に軍を養わんとしてきましたが、気宇の小さい諸侯の容れるところとならず、未だにかくの如く、男児の為すある天地をたずね歩いておる始末です」と、自嘲しながら、手をさしのべて、玄徳の手を握り、「どうですか。将来、貴下のお力ともなり、また、それがしの力ともなっていただいて、共々大いにやって行きたい考えですが……」
と、親しみを示すと、劉備は、それには答えないで、袂の中から、かねて先太守陶謙から譲られた「徐州の牌印」