Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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さんごくし

三国志(一)

吉川 英治

Lesen Sie 三国志(一) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 309.839 Zeichen · 622 Bildschirme

Aozora Bunko

五

ではないか。無礼者め! 戸外へ出ろっ、戸外へ」

酔った張飛が、これくらいなことを云いだすのは、歌を唄うようなものだが、彼の手は、同時に剣を抜き払ったので、馴れない者は仰天して色を失った。

五

「これっ。何をするっ」

劉備は、一喝に、張飛を叱りつけた。関羽も、あわてて、

「止さないか、場所がらもわきまえずに」と張飛を抱きとめて、壁ぎわへ押しもどした。

が、張飛は、やめない。

「ばかをいえっ。場所がらだから承知できないのだ。どこの馬の骨か分りもしない奴に、われわれの主君たり義兄たるお方を、手軽に賢弟などと、弟呼ばわりされてたまるか」

「わかったよ、分った」

「そればかりでない。さっきから黙って聞いていれば、呂布のやつめ、自分の野望で州を攻めたことまで、恩着せがましくいってやがる。こっちが、謙遜して下手に出れは、ツケ上がって!」

「止せといったら。それだから貴様は、真情ですることも、常に、酒の上だと人にいわれるのだ」

「酒の上などではない」

「では、黙れ」

「ウウム。いまいましいな」

張飛は、憤然たるまま、ようやく席にもどったが、よほど腹が癒えないとみえて、ひとり手酌で大杯をあおりつづけていた。