Japanische Klassiker mit Furigana
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さんごくし
三国志(一)
吉川 英治
Lesen Sie 三国志(一) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 309.839 Zeichen · 622 Bildschirme
――何やら、今はその天機が巡ってきているような気がするのです。些細な気持などにとらわれずに、お誘いをうけたものなら、張飛どのにまかせて、行ってごらんなさい」
劉備は、母のことばに、
「では、参ろう」と決心の腰を上げた。
二人は並んで、廊のほうへ、
「では、行ってきます」
礼をして、墻の外へ出て行った。
すると、道の彼方から、約百人ほどの軍隊が、まっしぐらに馳けてきた。騎馬もあり徒歩の兵もあった。埃の中に、青龍刀の白い光がつつまれて見えた。
「あ……、また来た」
張飛のつぶやきに、劉備はいぶかって、
「なんです、あれは」
「城内の兵だろう」
「関門の兵らしいですね。何事があったのでしょう」
「たぶん、この張飛を、召捕らえにきたのかも知れん」
「え?」
劉備は、驚きを喫して、
「では、こっちへむかって来る軍隊ですか」
「そうだ。もう疑いない。劉君、あれをちょっと片づける間、貴公はどこかに休んで見物していてくれないか」
「弱りましたな」
「なに、大したことはない」
「でも、州郡の兵隊を殺戮したら、とてもこの土地にはおられませんぞ」
云っている間に、もう百余名の州郡の兵は張飛と劉備を包囲してわいわい騒ぎだした。