Japanische Klassiker mit Furigana
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さんごくし
三国志(一)
吉川 英治
Lesen Sie 三国志(一) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 309.839 Zeichen · 622 Bildschirme
「追えや」
「討てや」
と、図にのって、賊の大軍は、陣形もなく追撃してきた。
「よしっ」
玄徳が、駒を返して、充分誘導してきた敵へ当り始めた時、丘陵の陰や、曠野の黍の中から、夕立雲のように湧いて出た関羽、張飛の両軍が、敵の主勢力を、完全にふくろづつみにして、みなごろしにかかった。
太陽は、血に煙った。
草も馬の尾も、血のかからない物はなかった。
「それっ、今だ」
逃げる賊軍を追って、そのまま味方は青州の城下まで迫った。
青州の城兵は、
――援軍来る!
と知ると、城門をひらいて、討って出た。なだれを打って、逃げてきた賊軍は、城下に火を放ち、自分のつけた炎を墓場として、ほとんど、自滅するかのような敗亡を遂げてしまった。
青州の太守景は、
「もし、卿らの来援がなければ、この城は、すでに今日は賊徒の享楽の宴会場になっていたであろう」
と、人々を重く賞して、三日三晩は、夜も日も、歓呼の楽器と万歳の声にみちあふれていた。
鄒靖は、軍を収めて、
「もはや、お暇せん」
と、幽州へ引揚げて行ったが、その際、劉玄徳は、鄒靖に向って、
「ずっと以前――私の少年の頃ですが、郷里の楼桑村に来て、しばらくかくれていた盧植という人物がありました。