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Japanische Klassiker mit Furigana

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さんごくし

三国志(一)

吉川 英治

Lesen Sie 三国志(一) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 309.839 Zeichen · 622 Bildschirme

Aozora Bunko

袁紹は、さらに気負って、何進の前へ行き、

「将軍、なんで無言のままこの混乱を見ているんですか。時は今ですぞ、宮廷の癌、社稷の鼠賊ども、十常侍の輩を一匹残らず殺してしまわなければいけません。この機を逸したら、再び臍を噛むような日がやってきますぞ」と、進言した。

「ウむ。……むむ」

何進はうなずいていた。

けれど顔色は蒼白で、日頃の元気も見えない。元来、小心な何進、一時は憤怒にかられて、この大事をあえて求めたが、一瞬のまに禁門の内外はこの世ながらの修羅地獄と化し、自分を殺そうと謀った蹇碩も殺されたと聞いたので、一時の怒りもさめて、むしろ自分のつけた火の果てなくひろがりそうな光景に、呆然と戦慄をおぼえているらしい容子であった。

その間に。

一方十常侍の面々は、

「すわ、大変」と、狼狽して、張譲を始め、おのおの生きた心地もなく、内宮へ逃げこんで、窮余の一策とばかり、何進の妹にして皇后の位置にある何后の裙下にひざまずいて、百拝、憐愍を乞うた。

「よい、よい。安心せい」

何后はすぐ、兄の何進を呼びにやった。

そして何進をなだめた。

「私たち兄妹が、微賤の身から今日の富貴となったのも、そのはじめは十常侍たちの内官の推薦があったからではありませんか」