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Japanische Klassiker mit Furigana

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さんごくし

三国志(一)

吉川 英治

Lesen Sie 三国志(一) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 309.839 Zeichen · 622 Bildschirme

Aozora Bunko

「なんのことだ」

「知れきったことでしょう。董卓とその周りの連中ですよ」

「だまっていたまえ」

「なぜです。私は、安からぬ思いがしてなりませんが」

「でも、この頃ようやく、宮廷も少しお静かになりかけたところだからな」

鮑信はまた、同じような憂えを、司徒の王允にもらした。けれど司法官たる王允でも、董卓のような大物となるとどうしようもなかった。

網をたずさえた漁夫が、鯨をながめて嘆じるように、

「ううむ。まったくだ。同感だ。だが、どうしようもないじゃないか」

疎髯をつまんで、とがった顎を引っ張りながら、そううそぶくだけだった。

「やんぬる哉――」

鮑信は、嫌になって、自分の手勢だけを引具し、泰山の閑地へ逃避してしまった。

去る者は去り、媚ぶる者は媚びて董卓の勢力につき、彼の勢いは日増しに旺になるばかりだった。

董卓の性格は、その軍に、彼の態度に、ようやく露骨にあらわれてきた。

「李儒」

「はい」

「断行しようと思うがどうだろう。もういいだろう」

董卓は、股肱の李儒に計った。それは、かねて彼の腹中にあった画策で、現在の天子を廃し、彼の見こんだ陳留王を位につけて、宮廷を私しようという大野望であった。