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Japanische Klassiker mit Furigana

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さんごくし

三国志(一)

吉川 英治

Lesen Sie 三国志(一) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 309.839 Zeichen · 622 Bildschirme

Aozora Bunko

そんなわけで董卓の軍は、その日、士気のあがらないことおびただしく、董卓も腐りきった態で、遠く陣を退いてしまった。

夜――

本陣の燈下に、彼は諸将を呼んで嘆息した。

「敵の丁原はともかく、養子の呂布がいるうちは勝ち目がない。呂布さえおれの配下にすれば、天下はわが掌のものだが――」

すると、諸将のうちから、

「将軍。嘆ずるには及びません」と、いった者がある。

人々がかえりみると、虎賁中郎将の李粛であった。

「李粛か。なんの策がある?」

「あります。私に、将軍の愛馬赤兎と一嚢の金銀珠玉をお託しください」

「それをどうするのか」

「幸いにも、私は、呂布と同郷の生れです。彼は勇猛ですが賢才ではありません。以上の二品に、私の持っている三寸不爛の舌をもって、呂布を訪れ、将軍のお望みを、きっとかなえてみせましょう」

「ふム。成功するかな?」

「まず、おまかせ下さい」

でもまだ迷っている顔つきで、董卓は、側にいる李儒の意見をきいた。

「どうしよう。李粛はあのように申すが」

すると李儒は、

「天下を得るために、なんで一匹の馬をお惜しみになるんです」と、いった。

「なるほど」

董卓は大きくうなずいて、李粛の献策を容れることにし、秘蔵の名馬赤兎と、一嚢の金銀珠玉とを彼に託した。