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Japanische Klassiker mit Furigana

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さんごくし

三国志(一)

吉川 英治

Lesen Sie 三国志(一) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 309.839 Zeichen · 622 Bildschirme

Aozora Bunko

「劉――」と、大方馬元義は、腰かけている石段から、寺の門を、顎でさした。

「そこでも、黄色い貼紙を見たろう。書いてある文句も読んだろう。この地方もずっと、俺たち黄巾党の勢力範囲なのだ」

「…………」

劉備は、終始黙然と聞いているのみだった。

「いや、この地方や、十州や二十州はおろかなこと、今に天下は黄巾党のものになる。後漢の代は亡び、次の新しい代になる」

劉備は、そこで初めて、こう訊ねた。

「では、張角良師は、後漢を亡ぼした後で、自分が帝位につく肚なんですか」

「いやいや。張角良師には、そんなお考えはない」

「では、誰が、次の帝王になるのでしょう」

「それはいえない。……だが劉備、てめえが俺の部下になると約束するなら聞かせてやるが」

「なりましょう」

「きっとか」

「母が許せばです」

「――では打明けてやるが、帝王の問題は、今の漢帝を亡ぼしてから後の重大な評議になるんだ。匈奴(蒙古族)のほうとも相談しなければならないから」

「へえ? ……なぜです。どうして支那の帝王を決めるのに、昔から秦や趙や燕などの国境を侵して、われわれ漢民族を脅かしてきた異国の匈奴などと相談する必要があるのですか」