Japanische Klassiker mit Furigana
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さんごくし
三国志(一)
吉川 英治
Lesen Sie 三国志(一) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 309.839 Zeichen · 622 Bildschirme
――こいつあ近頃の失策だったよ」
賊の李朱氾は、劉備のすぐそばで、それを大声で話しているのだった。
劉備は、驚いた。
そして思わず、懐中に秘していた錫の小さい茶壺をそっとさわってみた。
すると、馬元義は、
「ふーむ」と、うめきながら、改めて後ろにいる劉青年を振向いてから、さらに、李へ向って、
「それは、幾歳ぐらいな男か」
「そうさな。俺も見たわけでないが、嗅ぎつけた部下のはなしによると、まだ若いみすぼらしい風態の男だが、どこか凛然としているから、油断のならない人間かも知れないといっていたが」
「じゃあ、この男ではないのか」
馬元義は、すぐ傍らにいる劉備を指さして、いった。
「え?」
李は、意外な顔をしたが、馬元義から仔細を聞くとにわかに怪しみ疑って、
「そいつかもしれない。――おういっ、丁峰、丁峰」
と、池畔に屯させてある部下の群れへ向ってどなった。
手下の丁峰は、呼ばれて、屯の中から馳けてきた。李は、黄河で茶を交易した若者は、この男ではないかと、劉の顔を指さして、質問した。
丁は、劉青年を見ると、惑うこともなくすぐ答えた。
「あ。この男です。この若い男に違いありません」