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Japanische Klassiker mit Furigana

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さんごくし

三国志(一)

吉川 英治

Lesen Sie 三国志(一) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 309.839 Zeichen · 622 Bildschirme

Aozora Bunko

今はその時ではありますまい。関中の人民は、新帝定まり給うてから、まだ幾日も、安き心もなかった所です。そこへまた、歴史ある洛陽を捨てて、長安へご遷都などと発布されたら、それこそ、百姓たちは、鼎のごとく沸いて、天下の乱を助長するばかりでしょう」

太尉黄も、彼についで、発言した。

「そうです。今、楊彪の申されたとおり、遷都の儀は、然るべからずと存じます。その理由は、明白です。――ここにある百官の諸卿も、胸にその不可は知っても、ただ丞相の意に逆らうことを恐れて、黙しておるのみでしょう」

続いて、荀爽も、反対した。

「もし今、挙げて、王府をこの地から掃えば、商賈は売るに道を失い、工匠は職より捨てられ、百姓は流離して、天を怨みましょう。――丞相どうか草民をあわれんで下さい」

つづけざまに異論が沸きそうに見えたので、董卓は、形相をなして呶鳴った。

「わずかな百姓が何だっ。天下の計をなすのに、いちいち百姓のことなど按じていられるか」

荀爽は、またいった。

「百姓は邦の本ですぞ。百姓なくして、国家がありましょうか」

「おのれ、まだいうかっ。彼奴らの官職を剥ぎ、位階を奪り上げろ」