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Japanische Klassiker mit Furigana

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さんごくし

三国志(一)

吉川 英治

Lesen Sie 三国志(一) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 309.839 Zeichen · 622 Bildschirme

Aozora Bunko

それはこの死美人が頸にかけていた錦の嚢から出てきた物だ」

「ああもったいない……」と程普は自分の掌に礼拝して、

「――これは伝国の玉璽です。まぎれもなく、朝廷の玉璽でございます」

「えっ、玉璽だと」

「ごらんなさい。篤と――」

程普は、炬火のそばへ、玉璽を持って行って、それに彫ってある篆字の印文を読んで聞かせた。

受命于天

既寿永昌

「……とございましょうが」

「むむ」

「これはむかし荊山のもとで、鳳凰が石に棲むのを見て、時の人が、石の心部を切って、楚国の文王に献じ、文王は、稀世の璞玉なりと、宝としていましたが、後、秦の始皇の二十六年に、良工を選んでみがかせ、方円四寸の玉璽に作りあげ、李斯に命じて、この八字を彫らせたものであります」

「ウーム……。なるほど」

「二十八年始皇帝が洞庭湖をお渡りの折、暴風のために、一時この玉璽も、湖底に沈んだことなどもありましたが、ふしぎにもこの玉璽を持つ者は、一身つつがなく栄え、玉璽もいつか世に現れて、累世朝廷の奥に伝国の宝として、漢の高祖より今日まで、伝え伝えて参った物ですが……どうしてこれが今日の兵火に無事を得たのでしょうか。思えば、実に奇瑞の多い玉璽ではあります」