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Japanische Klassiker mit Furigana

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さんごくし

三国志(一)

吉川 英治

Lesen Sie 三国志(一) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 309.839 Zeichen · 622 Bildschirme

Aozora Bunko

貂蝉は、ちょっと、うつ向いた。珠のような涙が床に落ちた。――が、やがて面を上げると、

「いたします」

きっぱりいった。

そしてまた、「もし、仕損じたら、わたしは、笑って白刃の中に死にます。世々ふたたび人間の身をうけては生れてきません」と、覚悟のほどを示した。

数日の後。

王允は、秘蔵の黄金冠を、七宝をもって飾らせ、音物として、使者に持たせ、呂布の私邸へ贈り届けた。

呂布は、驚喜した。

「あの家には、古来から名剣宝珠が多く伝わっているとは聞いたが、洛陽から遷都して来た後も、まだこんな佳品があったのか」

彼は、武勇絶倫だが、単純な男である。歓びの余り、例の赤兎馬に乗って、さっそく王允の家へやってきた。

王允は、あらかじめ、彼が必ず答礼に来ることを察していたので、歓待の準備に手ぬかりはなかった。

「おう、これは珍客、ようこそお出でくだされた」と、自身、中門まで出迎えて、下へも置かぬもてなしを示し、堂上に請じて、呂布を敬い拝した。

傾国

一

王允は、一家を挙げて、彼のためにもてなした。

善美の饗膳を前に、呂布は、手に玉杯をあげながら主人へ云った。

「自分は、董太師に仕える一将にすぎない。