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Japanische Klassiker mit Furigana

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さんごくし

三国志(一)

吉川 英治

Lesen Sie 三国志(一) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 309.839 Zeichen · 622 Bildschirme

Aozora Bunko

「いや、ご歓待は、充分にうけた。もう、酒もそうは飲めない。大官、呂布は酔いましたよ」

「まだよろしいでしょう。貂蝉、おすすめしないか」

貂蝉は、ほどよく、彼に杯をすすめ、呂布もだんだん酔眼になってきた。夜も更けたので、呂布は、帰るといって立ちかけたが、なお、貂蝉の美しさを、くり返して称えた。

王允は、そっと、彼の肩へ寄ってささやいた。

「おのぞみならば、貂蝉を将軍へさしあげてもよいが」

「えっ。お女を。……大官、それはほんとですか」

「なんで偽りを」

「もし、貂蝉を、この呂布へ賜うならば、呂布はお家のために、犬馬の労を誓うでしょう」

「近い内に、吉日を選んで、将軍の室へ送ることを約します。……貂蝉も、今夜の容子では、たいへん将軍が好きになっているようですから」

「大官。……呂布は、すっかり酩酊しました。もう、歩けない気がします」

「いや、今夜ここへお泊めしてもよいが、董太師に知れて、怪しまれてはいけません。吉日を計って、必ず、貂蝉はあなたの室へ送るから、今夜はお帰りなさい」

「間違いはないでしょうな」

呂布は、恩を拝謝し、また、何度もくどいほど、念を押してようやく帰った。