Japanische Klassiker mit Furigana
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さんごくし
三国志(一)
吉川 英治
Lesen Sie 三国志(一) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 309.839 Zeichen · 622 Bildschirme
と、城門へ告げた。
董卓は、何事かと、直ぐに彼を引いて会った。
李粛は恭しく、拝をなして、
「天子におかれては、度々のご不予のため、ついに、太師へ御位を譲りたいとご決意なされました。どうか天下の為、すみやかに大統をおうけあって、九五の位にお昇りあるよう。今日の勅使は、その御内詔をお伝えに参ったわけです」
そういって、じっと董卓の面を見ていると、つつみきれぬ喜びに、彼の老顔がぱっと紅くなった。
「ほ。……それは意外な詔だが、しかし、朝臣の意向は」
「百官を未央殿にあつめ給い、僉議も相すみ、異口同音、万歳をとなえて、一決いたした結果です」
聞くと、董卓は、いよいよ眼を細めて、
「司徒王允は、何といっておるかの」
「王司徒は、よろこびに堪えず、受禅台を築いて、早くも、太師の即位を、お待ちしているふうです」
「そんなに早く事が運んでいるとは驚いた。ははは。……道理で思い当ることがある」
「なんですか。思い当ることとは」
「先頃、夢を見たのじゃ」
「夢を」
「むむ。巨龍雲を起して降り、この身に纏うと見て目がさめた」
「さてこそ、吉瑞です。一刻も早く、車をご用意あって、朝へ上り、詔をおうけなされたがよいと思います」