Japanische Klassiker mit Furigana
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さんごくし
三国志(一)
吉川 英治
Lesen Sie 三国志(一) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 309.839 Zeichen · 622 Bildschirme
「人を払って下さい、いかにも私は密使です。けれど、あなたの不為になる使いではありません」
と、いった。
近臣だけを残して、士卒たちを遠ざけた。百姓は、鶏の苞を刺していた竹の節を割って、中から一片の密書を出して曹操の手へ捧げた。
見ると、城中第一の旧家で富豪という聞えのある田氏の書面だった。呂布の暴虐に対する城中の民の恨みが綿々と書いてある。こんな人物に城主になられては、わたくし達は他国へ逃散するしかないとも認してある。
そして、密書の要点に入って、
(――今、濮陽城は留守の兵しかいません。呂布は黎陽へ行っているからです。即刻、閣下の軍をお進め下さい。わたくしどもは機を計って内応し、城中から攪乱します。義の一字を大きく書いた白旗を城壁のうえに立てますから、それを合図に、一挙に濮陽の兵を殲滅なさるように祷る――機はまさに今です)と、ある。
曹操は、破顔してよろこんだ。
「天、われに先頃の雪辱をなさしめ給う。濮陽はもう掌のうちの物だ!」
使いを犒って、承諾の返辞を持たせ帰した。
「危険ですな」
策士の劉曄がいった。
「念のため、軍を三分して、一隊だけ先へ進めてごらんなさい。