Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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さんごくし

三国志(一)

吉川 英治

Lesen Sie 三国志(一) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 309.839 Zeichen · 622 Bildschirme

Aozora Bunko

「あの虹橋の辺はどうだ」

「よいでしょう」

偉丈夫の指さすところは町はずれの楊柳の多い池のほとりだった。虹をかけたような石橋がある。そこから先は廃苑であった。何とかいう学者が池をほって、聖賢の学校を建てたが、時勢は聖賢の道と逆行するばかりで、真面目に通ってくる生徒はなかった。

学者は、それでも根気よく、石橋に立って道を説いたが、市の住民や童は、(気狂いだ)と、耳もかさない。それのみか、小賢しい奴だと、石を投げる者もあったりした。

学者は、いつのまにか、ほんとの狂人になってしまったとみえ、ついには、あらぬ事を絶叫して、学苑の中をさまよっていたが、そのうちに蓮池の中に、あわれ死体となって浮び上がった。

そういう遺蹟であった。

「ここはいい。掛け給え」

偉丈夫は、虹橋の石欄へ腰をかけ、劉備にもすすめた。

劉備は、ここまで来る間に、偉丈夫の人物をほぼ観ていた。そして、(この人間は偽ものでない)と思ったので、ここへ来た時は、彼もかなりな落着きと本気を示していた。

「時に、失礼ですが、尊名から先に承りたいものです。私はここからほど遠くない楼桑村の住人で、劉備玄徳という者ですが」