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Japanische Klassiker mit Furigana

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さんごくし

三国志(一)

吉川 英治

Lesen Sie 三国志(一) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 309.839 Zeichen · 622 Bildschirme

Aozora Bunko

なにも、明日でも明後日でもよいではないか。さあといえば、それというのが、貴公の性質だが、偉丈夫たる者はよろしくもっと沈重な態度であって欲しいなあ」

せっかく、一刻もはやくよろこんでもらおうと思ってきたのに、案外、雲長が気のない返辞なので、

「ははあ。雲長。尊公はまだそれがしの話を、半信半疑で聞いておるんじゃないか。それで、渋ッたい面をしておるのだろう。おれのことを、いつも短気というが、尊公の性質は、むしろ優柔不断というやつだ。壮図を抱く勇者たる者は、もっと事に当って、果断であって欲しいものだ」

「ははははは。やり返したな。しかしおれは考えるな。なんといわれても、もっと熟慮してみなければ、うかつに、景帝の玄孫などという男には会えんよ。――世間に、よくあるやつだから」

「そら、その通り、拙者の言を疑っておるのではないか」

「疑ぐるのが常識で、疑わない貴公が元来、生一本のばか正直というものじゃ」

「聞き捨てにならんことをいう。おれがどうしてばか正直か」

「ふだんの生活でも、のべつ人に騙されておるではないか」

「おれはそんなに人に騙されたおぼえはない」

「騙されても、騙されたと覚らぬほど、尊公はお人が好いのだ。