Japanische Klassiker mit Furigana
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さんごくし
三国志(一)
吉川 英治
Lesen Sie 三国志(一) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 309.839 Zeichen · 622 Bildschirme
「そうか。そうしてくれればなおいいな。あまり鶏めが慕ってくるから、生で喰ろうと思っていたんだが」
「生肉をやると腹に虫がわきますよ、旦那」
「ばかをいえ。鶏の肉と馬の肉には寄生虫は棲んでおらん」
「ヘエ。そうですか」
「体熱が高いからだ。すべて低温動物ほど寄生虫の巣だ。国にしてもそうだろう」
「へい」
「おや、鶏がいなくなった。おやじもう釜へ入れたのか」
「いえ。お代さえいただけば、揚げてあるやつを直ぐお出しいたしますが」
「銭はない」
「ごじょうだんを」
「ほんとだよ」
「では、お酒のお代のほうは」
「この先の寺の横丁を曲がると、童学草舎という寺子屋があるだろう。あの雲長のとこへ行って貰ってこい」
「弱りましたなあ」
「なにが弱る。雲長という漢は、武人のくせに、金に困らぬやつだ。雲長はおれの兄哥だ。弟の張飛が飲んで行ったといえば、払わぬわけにはゆくまい。――おいっ、もう一杯ついでこい」
亭主は、如才なく、彼をなだめておいて、その間に、女房を裏口からどこかへ走らせた。雲長の家へ問合せにやったものとみえる。間もなく、帰ってきて何かささやくと、
「そうかい。じゃあ飲ませても間違いあるまい」