Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

さんごくし

三国志(一)

吉川 英治

Lesen Sie 三国志(一) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 309.839 Zeichen · 622 Bildschirme

Aozora Bunko

三

三

玉璽を掌にしたまま孫堅は、茫然と、程普の物語る由来に聞き恍れていた。

そしてひそかに、思うらく、

(どうして、こんな名宝が、おれの掌に授かったのだろうか?)

なにか恐ろしい気持さえした。

程普は、語りつづけて。

「――今、思い合せれば、先年、十常侍らの乱をかもした折、幼帝には北山へお遁れ遊ばしましたが、その頃、にわかに玉璽が紛失したという噂が一時立ちました。――今、その玉璽が計らずも、井泉の底より拾い上げられて、太守のお掌に授かるというのは、ただ事ではありません」

「ウーム、自分もそう思う。……まったくこれはただ事ではない」

孫堅も呻いた。

程普は、主君の耳へ口をよせて、

「――天が授けたのです。天が、あなた様をして、九五の御位にのぼせ、子孫にわたって、伝国の大統を指命せられた祥瑞と思われます。……はやく本国へお帰りあって、遠大の計をめぐらすべきではありませんか」と、ささやいた。

孫堅は、大きくうなずいて、

「そうだ」と、深く期すもののように、眼を輝かして、居合わせた郎党たちへ云い渡した。

「こよいのことは、断じて、他言は相成らぬぞ。もしほかへ洩らした者あらば、必ず首を刎ねるからそう心得よ」