Japanische Klassiker mit Furigana
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さんごくし
三国志(一)
吉川 英治
Lesen Sie 三国志(一) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 309.839 Zeichen · 622 Bildschirme
三
麗人は、すぐ広い土塀に囲まれた、豪家の門のうちへ入ってしまった。
「そこが劉大人の邸だ」
と、たった今、張飛に教えられたばかりなので、さては劉家の息女かなどと、玄徳はひとり想像していた。
ほどなく、玄徳らの一行も、そこの門前に着いた。一同は車を停め、驢から降りて、埃まみれな旅の姿をかえりみた。
ここの主は浪人を愛し、常に多くの食客を養っているという。どんな人物であろうか、玄徳や関羽は、会わないうちはいろいろに想像された。
けれど、張飛に案内されて、南苑の客館に通ってみると、まったく世の風雲も知らぬげな長閑けさで、浪人を愛するよりは、むしろ風流を愛すことのはなはだしい気持の逸人ではないかと思われた。
やがてのこと、
「はい、てまえが、当家の主の劉恢です。ようお越しなされました。お身の上は最前、張飛どのから聞きましたが、どうぞお気がねなく、一年でも二年でも遊んでいてください。その代りこんな田舎ですから、何もおかまいはできませんよ、豊かにあるのは、酒ぐらいなもので」
こう主の劉恢が出てきてのあいさつに、張飛は、
「ありがたい。酒さえあれば何年だっていられますよ」