Japanische Klassiker mit Furigana
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さんごくし
三国志(一)
吉川 英治
Lesen Sie 三国志(一) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 309.839 Zeichen · 622 Bildschirme
その上にまた、同勢二十人も、食客をつれこんでは、劉大人も、眉をひそめておいでだろう」
「そんな事はありません。非常に浪人を愛する人ですし、玄徳様のご素姓と、われわれ義軍が、官地を捨てて去ったことなど、つぶさにおはなししたところ、苦労人ですから、非常によく分ってくれて、二年でも三年でもいるがいいというわけなんで」
張飛のことばに、
「そういう人物の邸なら身を寄せてもよかろう」
と、玄徳も安心して、彼の案内について行った。
すると、岳麓の疎林のほとりに、一廓の宏壮な土塀が見えた。玄徳らを誘いながら、張飛が、
「あの邸です。どうです、まるで豪族の家のようでしょう」と、自分の住居ででもあるように誇って云った。
玄徳がふと驢を止めて見ていると、その邸の並びの杏の並木道を今、鄙には稀な麗人が、白馬に乗って通ってゆくのが見えた。美人の驢の後からは、ひとりの童子が、琴を担って、眠そうに供をして行った。
三
「はて、どこかで見たような」
玄徳はふとそんな気がした。
遠目ではあったが、妙に印象づけられた。もっとも、殺伐な戦場生活だの、僻地から曠野を流浪してきた身なので、よけいに、彼方の女性が美しく見えたのかもしれない。