Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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さんごくし

三国志(一)

吉川 英治

Lesen Sie 三国志(一) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 309.839 Zeichen · 622 Bildschirme

Aozora Bunko

五

「いったな、貴様はこの董卓の剣は切れないと思っておるのか」

「暴言だっ。――諸君っ、今の声を、なんと聞くか」

「天下の権は、予の自由だ。予の説に不満な輩は、袁紹と共に、席を出て行けっ」

「ああ。妖雷声をなす、天日も真っ晦だ」

「世まい言を申しておると、一刀両断だぞ。去れっ、去れっ、異端者め」

「誰がおるか、こんな所に」

袁紹は、身をふるわせながら、席を蹴って飛び出した。

その夜のうち、彼は、官へ辞表を出して、遠く冀州の地へ奔ってしまった。

五

席を蹴って、袁紹が出て行ってしまうと、董卓は、やにわに、客席の一方を強くさして、

「太傅袁隗! 袁隗をこれへ引っ張ってこい」

と、左右の武士に命じた。

袁隗はまッ青な顔をして、董卓の前へ引きずられて来た。彼は、袁紹の伯父にあたる者だった。

「こら、汝の甥が、予を恥かしめた上、無礼を極めて出て行った態は、その眼でしかと見ていたであろうが。――ここで汝の首を斬ることを予は知っているが、その前に、ひと言訊いてつかわす。この世と冥途の辻に立ったと心得て、肚をすえて返答をせい」

「はっ……はいっ」

「汝は、この董卓が宣言した帝位廃立をどう思う? 賛同するか、それとも、甥の奴と同じ考えか」