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Japanische Klassiker mit Furigana

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さんごくし

三国志(一)

吉川 英治

Lesen Sie 三国志(一) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 309.839 Zeichen · 622 Bildschirme

Aozora Bunko

大権転々

一

聞ゆ――今、死の耳に

長安の民が謡う平和の歓び

われを呼ぶ天上の迦陵頻伽の声

「あ……あっ。では……?」

呂布もついに覚った。貂蝉の真の目的が何にあったかを知った。

彼は、貂蝉の死体を抱えて、いきなり馳け出すと、後園の古井戸へ投げこんでしまった。それきり貂蝉のことはもう考えなかった。天下の権を握れば、貂蝉ぐらいな美人はほかにもあるものと思い直した容子だった。

大権転々

一

西涼(甘粛省・蘭州)の地方におびただしい敗兵が流れこんだ。

塢の城から敗走した大軍だった。

董卓の旧臣で、その四大将といわれる李、張済、郭、樊稠などは、連名して、使者を長安に上せ、

「伏して、赦を乞う」

と、恭順を示した。

ところが、王允は、

「断じて赦せない」

と、使いを追い返し、即日、討伐令を発した。

西涼の敗兵は、大いに恐れた。

すると、謀士の聞えある賈が云った。

「動揺してはいけない。団結を解いてはならん。もし諸君が、一人一人に分離すれば、田舎の小役人の力でも召捕ることができる。よろしく集結を固め、その上に、陝西の地方民をも糾合しして、長安へ殺到すべしである。――うまくゆけば、董卓の仇を報じて、朝廷をわれらの手に奉じ、失敗したらその時逃げても遅くない」