Japanische Klassiker mit Furigana
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さんごくし
三国志(一)
吉川 英治
Lesen Sie 三国志(一) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 309.839 Zeichen · 622 Bildschirme
「孫堅の死体は、城内に移してある。黄祖を送り返すならば、いつでも屍は渡してやろう」と、快諾し、また、
「この際、これを機会に、停戦を約して、長く両国の境に、ふたたび乱の起らぬような協定を結んでもいい」と、いった。
使者桓楷は、再拝して、
「では、立帰って、早速その運びをして参りましょう」
と、起ちかけると、劉表の側に在った良が、やにわに、
「無用、無用」と、叫んで、主の劉表に向かって諫言した。
「江東の呉軍を破り尽すのは、今この時です。しかるに、孫堅の屍を返して、一時の平和に安んぜんか、呉軍は、今日の雪辱を心に蓄えて、必ず兵気を養い、他日ふたたびわが国へ仇をなすことは火を見るよりも明かなことだ。――よろしく使者桓楷の首を刎ねて、即座に、漢水へ追撃の命をお下しあるように望みます」
劉表は、ややしばらく、黙考していたが、首を振って、
「いやいや、わしと黄祖とは、心腹の交わりある君臣だ。それを見殺しにしては、劉表の面目にかかわる」と、※(「萠+りっとう」、第3水準1-91-14)良のことばを退けて、遂に屍を与えて、黄祖の身を、城内へ受取った。
※(「萠+りっとう」