Japanische Klassiker mit Furigana
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さんごくし
三国志(一)
吉川 英治
Lesen Sie 三国志(一) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 309.839 Zeichen · 622 Bildschirme
――まあ遊んで行き給え」
「お察しの通りな目的で来ました。小生の知る陶謙は、世に稀な仁人です、君子です。――ご尊父がむごたらしい難に遭われたのは、まったく陶謙の罪ではなく、張の仕業です。小生は、ゆえなき戦乱のため、仁君子が苦しめられ、同時に将軍の声望が傷つけられんとするのを見て、悲しまずにいられません」
「ばかをいえ」
曹操は、今までの微笑を一喝に変えて云い放った。
「父や弟の恨みをそそぐのが、なんでわが声望の失墜になるか、君は元来、逆境の頃の予を見捨てて走った男ではないか、人に向って遊説して歩く資格があると思うのか」
陳宮は、顔赤らめて、辞し去ったが、その不成功を、陶謙に復命する勇気もなく、そこから陳留の太守張の所へ走ってしまった。
かくて「報讐雪恨」の大旗は、曹操の怒りにまかせて、陶謙の胆を抉り肉を喰らわねばやまじ――とばかりの勢いで、徐州城下へ向って進発した。
行く行くこの猛軍は人民の墳墓をあばいたり、敵へ内通する疑いのある者などを、仮借なく斬って通ったので、民心は極端に恐れわなないた。
徐州の老太守陶謙は、
「曹操の軍には、とても敵しようもない。