Japanische Klassiker mit Furigana
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さんごくし
三国志(一)
吉川 英治
Lesen Sie 三国志(一) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 309.839 Zeichen · 622 Bildschirme
そればかりか、すでに帝もおわさず、政事もそこにはない宮殿へ無用な火を放って、
「この上は、あくまで戦うぞ」と、その炎を見て、いたずらに快哉をさけんだ。
一方――
帝と皇后の御輦は、李暹のために、李司馬の軍営へと、遮二無二、曳きこまれて来たが、そこへお置きするのはさすがに不安なので李、李暹の叔父甥は、相談のうえ、以前、董相国の別荘でありまた、堅城でもある塢の城内へ、遷し奉ることとした。
以来、献帝並びに皇后は、※(「眉+おおざと」、第4水準2-90-21)塢城の幽室に監禁されたまま、十数日を過しておられた。帝のご意志はもとよりのこと、一歩の自由もゆるされなかった。
供御の食物なども、実にひどいもので、膳がくれば、必ず腐臭がともなっていた。
帝は、箸をお取りにならない。侍臣たちは、強いて口へ入れてみたが、みな嘔吐をこらえながら、ただ、涙をうかべあうだけだった。
「侍従どもが、餓鬼のごとく痩せてゆくのは、見ている身が辛い。願わくは、朕へ徳をほどこす心をもて、彼らに愍れみを与えよ」
献帝は、そう仰っしゃって、李司馬の許へ使いを立て、一嚢の米と、一股の牛肉を要求された。