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Japanische Klassiker mit Furigana

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さんごくし

三国志(一)

吉川 英治

Lesen Sie 三国志(一) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 309.839 Zeichen · 622 Bildschirme

Aozora Bunko

すると、李※(「にんべん+確のつくり」、第4水準2-1-76)がやって来て、

「今は、闕下に大乱の起っている非常時だ。朝夕の供御は、兵卒から上げてあるのに、この上、なにを贅沢なご託をならべるのかっ」

と、帝へ向って、臣下にあるまじき悪口をほざいた。そして、なにか傍らから云った侍従をも撲りつけて立ち去ったが、さすがに後では、少し寝ざめが悪かったものとみえ、その日の夕餉には若干の米と、腐った牛肉の幾片かが皿に盛られてあった。

「ああ。これが彼の良心か」

侍従たちは、その腐った物の臭気に面をそむけた。

帝は、いたく憤られて、

「豎子、かくも朕を、ないがしろに振舞うか」

と、袞龍の袖をお眼にあてたまい身をふるわせてお嘆きになった。

侍臣のうちに、楊彪もひかえていた。――

彼は、断腸の思いがした。

自分の妻に、反間の計をふくめて、今日の乱を作った者は、誰でもない楊彪である。

計略図にあたって、郭と李とが互に猜疑しあって、血みどろな角逐を演じ出したのは、まさに、彼の思うつぼであったが、帝と皇后の御身に、こんな辛酸が下ろうとは、夢にも思わなかったところである。

「陛下。