轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ばいりせんせいぎょうじょうき
梅里先生行状記
吉川 英治
「朝日新聞」1941(昭和16)年2月18日~8月24日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 209,260 字 · 418 页
二十二
無言のおゆるしと解していいだろうか」
「もちろん、お咎めのある者へ、そんなご用を仰せ出されるわけはない。……だが、悦之進にはまだ何のお沙汰もないな。悦之進は、ここへ帰ってからも、毎日、薬研部屋にはいったまま、あの通り謹慎しているのに」
「いや、今しがた、お召しをうけて、お部屋へ伺っていた。恐らく同様なおことばを賜わっているだろう」
うわさをしているところへ、その渡辺格外が、老公の部屋から退がって来た。何も語らぬうち、聞かぬうちから、かれの明るい笑顔が、すべてを友に告げていた。
二十二
汁講の廻状はまわった。期日の夜は来た。久しぶり西山荘の一席には、おととしの一夜と同じように、君臣水魚の集いが見られた。
いや、歳月の行くところ、人のあるところ、いつの場合でも、まったく同じということはあり得ない。
この足かけ三年のあいだに、歿している老人もあった。なぜか、来ない二、三の顔もあった。多少なりとも藤井紋太夫の問題は、ここにも無影響とはいいきれないものがある。
そのかわりおととしはいなかった佐々介三郎がおり、また女性では、お次がいた。平常、女手の足らない山荘のこととて、お次は調法がられていた。