轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ばいりせんせいぎょうじょうき

梅里先生行状記

吉川 英治

「朝日新聞」1941(昭和16)年2月18日~8月24日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 209,260 字 · 418 页

青空文庫

「…………」

又四郎は、さっきから黙ってしまった。この男が黙り出すと、あいての根気を疲らすのであった。うすあばたのある人好きのわるい顔が、むッそりと不愛想極まる眼を反らしていると、たいがい交き合いの者では嫌になってしまうらしい。

「おい。どうしたい?」

介三郎がやがていうと、

「どうもせぬ」

という返事である。

「眠くなったか」

「ばかをいえ」

「……では一体、さいごのところ、おぬしは現状の世にたいして、どう生きて行こうというのか。まさか、湯女をあいてに、酒ばかりのんで、いたずらに大義を楯に俗衆を罵るのみを能としてみずから慰めていられるほど、おぬしの性格は、都合よく出来てもいないしな……」

「どう生きて行くと? ……おろかなことを、おれは、どう死のうかという死に方しか考えていない」

「同じことではないか」

介三郎が、かれの浅薄を、叱るようにいったときである。どこか更け沈んだ裏の遠くのほうで物音がした。――ばりばりと竹でも折れたような響きであった。

八

ふと、ふたりとも、口をつぐみ合った。しばし耳を澄ましていた。

――が、それきり何の気はいもなかったのでまた、介三郎のほうから、