轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ばいりせんせいぎょうじょうき

梅里先生行状記

吉川 英治

「朝日新聞」1941(昭和16)年2月18日~8月24日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 209,260 字 · 418 页

青空文庫

八

「老公のお怒りも覚悟のうえで、西山荘を出奔したからには、いずれは――生きようなどという道を選んで出たのでないことは分るが――それにせよ何をそう思いつめたのか。又四郎。おぬしはちと行き過ぎておりはせぬか」

「自分ひとりなら知らぬこと。江橋林助まで説いて共に出郷したのだ。なんでうかつに行動しよう。いまにわかる、見ていてくれ。おれもあだには死なぬし、江橋林助にも犬死はさせん」

「江橋はいま、どこにおるか」

「やはり江戸表に来ておるが、近頃、あるところへ住みこんでおる、訊いてくれるな」

「訊くまい。それは。……しかしおれが貴公の胸を叩くぶんには、いくら問いつめてもかまわぬと思う。君とおれとの交友だ。ゆるすだろうな」

「む、む。何を……」

「およそ察してはいるが、おぬしの抱いている真底の目的を。意図を。――打ち明けられぬか」

「他言してくれるな」

「もとよりのこと」

「また、止めてくれるな」

「それほどの決心なら、止めても止まるまい。とにかく聞こう」

「老公が職におられた時から、暗に老公のご献策をさまたげて、ご退職後は、わが世の春と、いよいよ思うままに綱吉将軍の歓心を捉え、政ごとを私せんとしている人間がある。