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さんごくし

三国志(五)

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《三国志(五)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N1,點詞查義。

N1 · 挑戰 · 新字新假名 · 325,249 字 · 653 頁

青空文庫

二

これを破るには、われもまた、彼の兵糧運送の道を断つが上策と考えるが、先生以て如何となすか?」

「彼の糧地はどこか突きとめてありますか」

「百方、物見を派して探り得ておる。曹操の兵糧はことごとく聚鉄山にあるという。先生は少年の頃から荊州に住み馴れ、あの辺の地理には定めしおくわしいであろう。彼を破るは、共に主君の御為、ひとつ決死の兵千余騎を貸しますから、夜陰、敵地に深く入って、彼の糧倉を焼き払って下さらんか。――あなたをおいては、この壮挙を見事成し遂げる人はいない」

二

孔明はすぐさとった。これは周瑜が、敵の手をかりて、自分を害そうとする考えであるに違いない――と。

が彼は、欣然、

「承知しました」と、ことばをつがえて帰って行った。

そばにいた魯粛は、周瑜のためにも孔明のためにも惜しんで、後からそっと孔明の仮屋をうかがってみた。

帰るとすぐ、孔明は鉄甲を着け、剣を佩き、早くも武装して夜に入るのを待ちかまえている様子である。魯粛はこらえかねて、姿を見せ、気の毒そうにたずねた。

「先生、あなたは今宵のご発向に、必勝を期して行かれるのですか。それとも、やむなき破目と、観念されたのですか」