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さんごくし

三国志(五)

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《三国志(五)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N1,點詞查義。

N1 · 挑戰 · 新字新假名 · 325,249 字 · 653 頁

青空文庫

四

「でも、それに対して、呉の兵力は」

「明朝、江岸に集まる兵は、約五万あります。君には、あと三万を召集して、兵糧武具、船備など充分にご用意あって、おあとからお進み下さい。周瑜五万の先陣は、大江をさかのぼり、陸路を駈け、水陸一手となって、曹軍を突き破って参りますから」と、勇気づけた。

そう聞いて孫権は初めて確信を抱いたものの如く、なお大策を語りあって、未明にわかれた。

四

まだ天地は晦かった。夜明けにはだいぶ間がある。周瑜は、家に帰る道すがら、

「さてさて孔明という人間は、怖ろしい人物である。常に呉君に接して間近に仕えているわれわれ以上、呉君の胸中を観ぬいて少しも過っていない。人心を読むこと鏡にかけてみる如しとは、彼の如きをいうのだろう。どう考えても、その慧眼と智慮は、この周瑜などより一段上と思わなければならん」

嘆服するの余り、ひそかに後日の恐怖さえ覚えてきた。――如かず、いまのうちに孔明を殺しておかないと、後には、呉の禍いになろうも知れぬ。

「……そうだ」

自邸の館門をはいる時、彼はひとりうなずいていた。すぐ使いをやって、魯粛をよび、

「呉の大方針は確定した。