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さんごくし

三国志(五)

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《三国志(五)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N1,點詞查義。

N1 · 挑戰 · 新字新假名 · 325,249 字 · 653 頁

青空文庫

四

一方は大将玄徳、一方は軍師孔明、相対して、月を賞し、酒を酌んでいるのであった。

「やあ、憎ッくき敵の応対かな。おのれひと揉みに」

許は愚弄されたと感じてひどく怒った。彼の激しい下知に励まされて、兵は狼群の吠えかかるが如く、山の絶壁へ取りすがったが、たちまちその上へ、巨岩大木の雨が幕を切って落すようになだれてきた。

四

一塊の大石や、一箇の木材で、幾十か知れない人馬が傷つけられた。

許※(「ころもへん+睹のつくり」、第3水準1-91-82)も、これはたまらないと、あわてて兵を退いた。そして、ほかの攻め口を尋ねた。

彼方の峰、こなたの山、大擂の音や金鼓のひびきが答え合って聞えるのである。

「背後を断たれては」と、許※(「ころもへん+睹のつくり」、第3水準1-91-82)はいたずらに、敵の所在を考え迷った。

そのうちに曹仁、曹洪などの本軍もこれへ来た。曹仁は叱咤して、

「児戯に類する敵の作戦だ。麻酔にかけられてはならん。前進ただ前進あるのみ」

と、遮二無二、猛進をつづけ、ついに新野の街まで押し入ってしまった。

「どうだ、この街の態は。これで敵の手のうちは見えたろう」